夜明けの月と煙vol.21(18.8.1)
夏の外苑前駅のホームは地獄のような信じられない熱風が吹いて暑苦しい
降りた途端にその風を受けて、そうだ、夏の月見ル君想フに来たんだ、肌で感じる
暑くて苦しい 人の毛穴から出る蒸気に耐えられない
心をそっと切って身体をなくして眺めることのできたわたしの居場所は流れてなくなった
DOTAMAが話すことをちゃんと聞いた
2人は去っていった
月が待つ人のせめぎ合う空間に戻る
浴びたい言葉の空気も現実には存在しなくて誰かに殺されているのか元々そんな空気は存在していない架空の人物 耳を塞ぎたい
教室を感じさせる音が聴こえて反射的に吸い込む空気は誰かの口腔ですぐに吐く
頭は守らない耳も塞がない 交差してうごく光の点 頭上5mで交わる白い光、照らす青 迷いはないようだった
パチパチというその音をこの場所で聞いたのは初めてだった だから新しいのに そういうことに気づいていたい けど 視界が悪い
景色 雨が降る風景を直接感じたのは初めて 下からみるようにしてみえない踊りを目を閉じて思い出す 夏の日差しに
赤と青の玉が転がり光り、閉じて別に光が差してきてもまた赤と青の玉 いつものようにあの瞬間が何色だったかを、まったく記憶にない
顔にぶつかるすれすれのその頭を蹴飛ばしたい
スクリーン ここがよく似合う なぜこんなにも好きなのかわからないのに
手摺の無い突き出しの宙に浮く空間も突然光が消されたり ついたりして もう何も憶えていない
ただ1番耳にしたかった水の音が空気を飲みこんだ 水に飛び込む音がして姿をみると髪が濡れていた こうしてあなたの感性を信じてよかった でも 僕だけがいないことに気づかない
奇跡的に月を支えるような姿を見たこと 二階ではわからなかったこと あの水色は嘘でもいい
おかえりさよならって言ってるようにみえても月に言われているようで
いい曲だと思った
月見ル君想フで 光の色が変わる様をみることが好きだった
仕事の帰りに二階に立つのが好きだった
帰りの外苑前のホームに立つと涼しかった
思い出させるためだけの演出が済めばすぐに別物になることだって本当はできたんだ
区切りなんかつける必要も無く線は時間に引かれる
「還らなければならないので」