おもちやけた

orokanaburogu

Solitude HOTEL 5F(18.6.23)

本当にこの日が来るなんて 嘘みたいだという気持ちと、着実に階段を上がって行く姿を見続けて来たから当然のようだという気持ちが混在していた

日本青年館ホールがあるのは月見ル君想フがある、いつもの外苑前

 

細かい雨が静かに降っていて、その軽い水は浮遊して、傘を無視して横からちょっかい出して来る

 

外苑前でサブウェイを食べた 

大学生の頃はたらいていた店舗は潰れた

包紙や野菜が変わっていた  いれる野菜が変わることによる味の変化に適合できなかった

好きなものが変わってしまったときに、それを好きでなくなることは「好きな気持ちがその程度だった」わけでは決して無いと思う

 

食べ終わって青年館ホールに向かう14:30

雨は強くなっていた 身軽な雨もすこし重みをもっている

 

通り過ぎる都立高校では泥だらけになって部活をする人たちがいる すごい 自分にない要素をみて圧倒される

 

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前物販をまつ

5分前に二階に上がる 湿っているけど、ロビーはいい匂いがする

ホール独特の空気 

今日のスケジュールf:id:ariki_com:20180624130947j:image

買わないつもりだった限定Tシャツ、スタッフのお兄さんが着ているところを見ると思ったよりもグロくなかったので買うことにした

ずっと欲しかった傘と、UK版のレコードも買う レコードを再生する機器を買いたい

ランダムチェキと呼ばれる、チェキのくじを4枚引いた

なぜ4枚かというと、4人が写っていてほしいから 4枚引いて4人を揃えるなんて確率論的には相当難しいけど、一緒に写ってるのとかあるからそうする


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ぜ、全部和田輪!!!!!!!!いやひとつ葵ちゃんも写ってるけど!和田輪〜!!!!オフトゥン

自分のところにこんなに来てくれて和田輪がアツく迎えてくれてるようで余計に好きになっちゃうな 

とはいえ唯ちゃんとコショも自分で引きたいし追加を引きに行った 

「和田輪、ちょっとおやすみしててね〜」と念じながら引いた

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お、面白すぎだろ、、、ほんとにおやすみしてるよ、でもいるよ、、、面白MVP、、、

 

物販から外に出ると、もうそれはそれは土砂降りの雨だった でもなんだか気分は悪くない 雨の日に見るメゾンブックガールは確実に良いことを知ってる

傘つかってみた

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すごくかわいい!しかもワンプッシュタイプで、開閉どちらもボタンでOKのやつ、使ってみたかったんだよね

女性向けの折りたたみ傘よりも一回り大きいから濡れにくい!(流石に土砂降りすぎてビショビショになったけど)

売り切れたみたいだけど、リピート生産かけてほしいな これ光に透けさせるとすごく可愛いし、いいグッズだ 壊さないように気をつけよう…

雨の日も楽しみになりそう

 

そうこうしているうちに開場時刻
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座席が指定されているから急がずにゆっくり向かえる 周りも穏やかな雰囲気で心地よい

どの席でもまるっとキレイに観えそうだった

自分は前方座席 3列目 

ステージには何もない 遠近感がわからない状態で、ただ黒い

音は4.9Fで耳にしたことのある音がし続けている

鳥の声 鳥が発つ音 バチバチとする音 機械の音 フラッシュの光が脳に見えてくる うたうような横笛  この世界における鳥とは一体なんなのか私にはよくわからない

 

18:00になってもはじまらない

会場に緊張感が高まっていることがわかる

後ろを振り返ってみるとたくさんの人が前をみつめていた

 

18:13急速にライトがしぼられて 暗くなる

 

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知らないSEと共鳴するスクリーンの水滴

オルゴールのようなその音が鳴るにつれて動いていき、水滴は合体して大きくなっていく

登場するメゾンブックガールはレインコートを纏っていない

彼女たちの上に映像はかぶさっている

 

01. レインコートと首の無い鳥

 

レインコートを纏っていないその姿でレインコートと首のない鳥

効きすぎなほどの低音が刺してくる

薄暗いそのステージが濁った青と赤のオイルでぐちゃぐちゃになっていく 裏切りと悲しみと傷つけるように

鋭いその動きはその腕に何かを持って首を狩りにいく殺気に満ちていた

歌も今の声だけではなく、いつかの声と共にうたう

4拍子になり当てられるライトで浮かんで光る、忘れることをおぼえた鳥

四人が横に並び、記憶鳥たちを魅せるかのように儀式のように踊る

暗闇にうかぶ靴の光 和田輪の靴下が圧倒的にひかっていた

 

「重ねた体まだ。首のない鳥の声。消える部屋の中でひとつひとつ記憶を許すの。」

 

拍手をする間もなくbath room(intro)

同時に走って消え去っていった四人

走る和田輪の髪の毛の画がこびりつく

 

残された人々と7拍子でクラップ 

”Solitude HOTEL 5F”の文字が浮かんだ

 

これは、今日は、今回は、なんか違う、そう思って期待に胸が一杯でクラップする

 

02. bath room

 

レインコートと首の無い鳥によって世界が広がった、広がったというのかつながったというのかわからないけどbath room

バスルームで嘘をついた少女達が何を見るか、そのことに引き摺られて疑問を持ったことは初めてのことだった

「もう忘れたの?」「まだ覚えてる?」

「Falling girl 深い森の中に潜む鳥の声にひきずられてゆくの」

 


03. faithlessness

 

緊張感ただようfaithlessnessに美しい歌声

「嘘ばかりついてベッドは森の中で燃やしたの」

 

「小さな川の写真を破って流した」

本当に観たのか疑うようなサブリミナル、何かを破る映像が脳に焼き付く

もう、視線は4人ではなくその映像に釘付けになっていた

一瞬の映像がどんどん数も時間も増えていき、どんどん写真をちぎって破っていく

「裏切られて」「うらぎられて」どんどん何者かの手で切られていって

あのソファの写真も破られてく なんでそんなにも許さないのか知りたくない

不気味さがすごくてあの感覚を思い出す 硬直して、手を叩くことも歌や踊りに意識がいくこともなくただ茫然とその空間に意識を置き去りにする

 

04. townscape

 

ちぎりまくった写真がなんなのか不気味な感触のまま突入したtownscape 

映像には写真が映し出される

ソファ 杏のような花 ちがうソファ 家 建物 協会 

異国感ただよう単色の写真が次々と映し出された

「青い鳥は裂けて、闇が助ける。君がくれた夜がいつまでも続いてく。」

「悲しい嘘は、誰かの笑顔。」

「殺した色と花束は、誰かの幸せなの。」


05. end of Summer dream

 

「暗闇で見た、忘れた悲しみの続きを。」

 

重ねられた情景imageの世界

猫がみえた 猫の出入り口のような穴があった

直接的に思えた表現の出口に驚く

「水の中。捨てられている声を集めて。音の隙間の、出口を探し続けてるの。」

 

 あんまりおびえなくても大丈夫なのかなと思った

 

MC

みなさん、楽しんでますか!

二階席は傾斜がすごい!

映画館みた~い!

走って舞台袖に帰ってから舞台に帰ってくる和田輪がおもしろかった

満足させて帰す!とパンチする井上唯がかわいくて笑ってしまった

不気味な時間を喰らわせておきながら彼女たちはいつもホンワリと和ませる

でもこの後に裏切られることがあると知っているから 気が抜けない


06. sin morning

 

舞台のライティングがきれいだ

新しい朝がきた

「無くしてく赤、壊れた部屋。」

「指先で傷跡をなぞった。青の後ろ姿が揺れてた。」

「時計台の鳥は静かに。もう、つないだ手を離したから。」

新しい朝がきた

 


07. rooms

 

これほどまでに美しい残響は無かった

ホールでしか味わうことのできないあの空間 いや あのときにしかない響きだった

完全に傍観者で自我をなくし空気に溶けた

瞬間移動のような演出にしたroomsが天才で

止まっているようなその時間は別の時間が動いているような演出

彼女達との時間軸の違いを見せつけられるようなショー

「手のひらの傷も、白が塗り替えて、叶えたかった夢の途中光を消した」


08. 言選り

 

パチ、パチ、という打撃音と共に降り注ぐ雨のようなレーザーライト

もはや、「共に」というよりも、その光そのものの音が「それ」だった

降り注ぐ光は時に彼女たちをも刺していた

その中で泳ぐような姿がとてもきれいだった

これまでみたことあるものとは違かった 強さを感じた

濡れた顔の悲しみでレーザーも踊っていたのが印象的だった 周りのすべてを巻き込んでいるようで  世界の中心としての意識か確かにあった

cotoeriさんがドーンとでてきて見守るようだった

最後に降ってきた鍵を落とさずにしっかり受け止めたこと


09. 十六歳

 

「きっと戻れない日々眺めてた。」

「たった1つがが欠けて、諦めて。」

 

彷徨って何かを探しているというよりも決まった道をいつかは知っていることがあったような十六歳、

知らない方向に走り出すのが階層の違いを思わせる

 


10. lost AGE

 

赤と青が激しく乱れるlostAGE

そのことだけが脳裏に焼き付いている

 

「迷い込んで行く色」


11. karma

 

まぶしい 長い筒状の光がたくさん降りてきた

知っているのは赤と青だけど、縦線の白い光 レーザーの光 どんどん上に上がって行く

 

最後のサビ

舞うことをやめて徹した歌唱が本当に素晴らしかった

 

「甘い咬み傷のよう 赤く泣いてるの」

「その頬に傷をつけた僕だけが目を塞ぎ永遠に思い出すだけ」

「君は誰 傷つけたのは誰なの」

 

 

12. my cut

 

みなさん、立ってくださーい!というコショージさんの声で起立!ただ楽しむmy cut

異質に感じるこの曲はkarmaという混沌を経てここにあるんだと思う

 

自分に体があることを思い出す

 

「体に残った傷を舐めても

変わらない、傷も消えない

ずっと消えないで」

 

MC

 

次が最後の曲です

 

13. last scene

 

「夢の最後の瞬間を、今も震えて思い出す。」

 

この曲こそ幻のようだ

 

「それも全て忘れてしまったの?」

「僕らの夢はいつも叶わない。きっと。」

 

この曲が希望の曲にこのときは聞こえた

キラキラと光の粒が広がる世界が幻想的で

のまれた

 

鳴り止まない拍手の音

 

en
14. cloudy irony

 

5F限定白Tシャツに着替えた四人

堂々としたcloudy ironyが輝いていた

安心するライブ感 アンコール感

 

土砂降りの雨が降っている世界から来た私たちは始まりの日にいるんだと思わざるを得なくってあの雨だけを信じてた

 

「汚れた結末だけを僕たちはいつも」


15. snow irony

 

立たないのが不自然なsnow irony

何も考えずにオイ!オイ!と笑顔をみていう

 

「始まりの日の夜は、いつでも雨が降って。」

「何も知らないままで失った。」

「君は変わってしまった。」

 

 

MC 

井上唯:CDたくさん買ってくれたり、配信できいてくれたりみんなのおかげ、地元の人も遠征で来てくれる人もブクガの時間をとってくれてありがとう
和田輪:ホールで歌うのが夢だったからうれしい これからも見守っていてください

矢川葵:ワンマンの度にもう無理!って思うけど始まっちゃったら楽しくてあっという間 ありがとう

コショージメグミ:支えてくれるスタッフさんや皆さんのおかげ。やりたくても実現できなかったことが多いからもっと大きな会場でやりたい!皆さんこれからもよろしくお願いします


16. おかえりさよなら

 

初めて振り付けのついたおかえりさよなら

踊っていてもその歌声の美しさが健在、どころかホールに響くその声が一等だった

 

「白い服が風に揺らいで過去も言葉も全て薄れて、遠い遠い朝を迎える。」

 

叶わないの?変わらないの?

 

丁寧なお辞儀

湧き上がるスタンディングオベーション

拍手がやまない

ダブルアンコールになったら、なんの曲をやるんだろう?と考えても一瞬わからなかった 頭をひねってひねって 

あ、そうだ 絶対に聞きたい曲がある

 

en2

17. 教室

 

さわやかな風に弾かれるような音に乗せてレインコートを着た井上唯が本を読みながらやってくる

「教室の空気が変だった」

 

順に教室にやってくる3人は歩きながらそれを読む

 

「全校集会を開きます」

どこかでみたような、和田輪が3人に問いかけるようす  それぞれのかたちの体育座りして集会で話をきく姿

 

「あいつの名前が呼ばれていた。」

 

あいつはきっと、あのとき、ああして、ああなってしまったんだろう あのときにああしていればああならなかったかもしれないけどああなってしまったことをああやって聞くことになってしまう あの子も泣かなかったかもしれない あの空気を作り出したのはあいつなのか それはじつはあいつじゃないんじゃないか?

 

「教室の空気が変だった。」

 

「ふるまち行かない?おすすめのお店あるんだよね。」「行く。」

何処かへ向かう2人

 

走って行く1人

 

「もうすぐ夏休みだ。」

 

去る1人

 


18. レインコートと首の無い鳥

 

すでにきいた音 レインコートの4つの影

しばらくしてようやくわかる

 

・・・・鳥の顔

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聞いたことのある声

そこにいるものは歌を歌っていない

歌を歌えない首のない鳥が隠すようにマスクをつけていたように思う 

ただ不気味なその光景に凍りつく

踊っていたその四体がこちらにゆっくり近づいてくる

 

「重ねた体まだ。首のない鳥の声。消え-」

 

光も音も消し去られた

 

暗闇の中に微かに光る靴がずっと目にぼんやりとうつっているような気がした 目の錯覚してなのかもしれないけれど、そこにじっといるんだと思った

立っているのか しゃがんでいるのか はたまた寝そべっているのかもしれない

どうなってしまったんだろう

 

視界が開けるとそこには誰もいなかった

 

残されていたのは

その4つの白い靴と1つの白いもの

 

 

鳥が羽を落として飛び立って行ってしまったような 消し去られたような そんなのもともとなかったような 

気がした

 

 

オルゴールに乗せて 6 の文字が浮かぶ

SolitudeHOTEL6F、winter

 

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外に出るとあんなに降っていた雨がまったく降っていなくて違う時間に来てしまったのかと錯覚する 錯覚?ぼんやり滲んでいる月が綺麗だった

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耳にする同じ曲も同じ曲ではないようだった

注目したことがなかった言葉を拾い続けた

雨が降る夢を追っていた今までの自分のなぞり方とは違っていて、首がなくて記憶もない鳥の記憶を追い続ける夢をみようとしたような

念願だった自意識の喪失状態でライブを見られたのは着席だったことも大きくて 自分の身体的な意識もなく、他者の存在に惑わされることもなかったことで他者と自分の位置関係を感じること(=自分の存在を感じること)を失うことができたと思う 他人の頭ばかりが見えたり独特な揺れに意識を奪われる事などもない せめてSolitude HOTELだけはそんな状態で観たいという気持ちの念願が叶った

自分にとって本当に大事なSolitudeHOTE4Fは本当は架空の階層ではないかと思って5Fに来たけれど、5Fの存在さえホテルの存在も疑わしくなっていく 入口はあるのに出口がないようで、抜け出せているのかはよくわからない ここもまた白い箱の中なのかもしれない 、って前も言った気もする

 

初めて来た人、曲を聴きに来た人、ダンスを観に来た人、ブクガを観に来た人、誰も置いていかない(全員置いていく)ステージだったように思う 

液状のそれらや、光や、写真 どれもメゾンブックガールとしてすばらしいものだった

 

 

6Fまでのぼる姿を窓の外から眺めていたい

 

 

 

白、拭えない記憶 こびりつく