muevo presents EX-CEED(17.10.6)
突然襲いかかる寒さとどしゃぶりの雨 季節は知らぬ間にすっかり進んでいたけれどiPhoneでみる天気予報の気温に構えてすっかりお馴染みのヒートテックとコートなんて着始めている
初めての会場で東急ハンズの近くということはわかっていたのでウロウロしていたけど東急ハンズの裏の方だった ライブハウスが何個も入るビル 山手線がかなり遅れていたので2番目のuijinの最後の3曲を聴けるくらいの時間に着いた 人はまばらだ お盆前のさいたまオワリカラベルトコンベアーのときみたいだと思った その日も同じく土砂降りの日だった 雨の温度や空気はまったく違う
あっという間に彼女たちの出番になる ステージを教壇だとしたら距離的には1番前の席だろう
a-shi-taで青と緑の照明が点滅し寒々しく濃霧のようにスモークが吹いている 何ヶ月とすっかり馴染みとなったこの曲を聴けば毎度のことながらこれからの時間に胸が高鳴り緊張さえする 登場はサイドからではなくステージ中央付近のドアからで、まるでひとつの暗くてほこりっぽい部屋に入室してきたかのようだった faithlessnessで始まるほこりをかぶった本に閉ざされた物語のようなステージ 裏切られて、和田輪がどんどん前に迫ってきてずっと目が合っているような感覚で釘付けになり、まるでお人形のようなアイコンのような彼女がこの空間を夢か現実か惑わせる townscape この時点で今日のステージのストーリー性が非現実的だけれど断片的かつ地続きで出口のない、つねっても起きられない長い夢のようだということを予感した ブクガの楽曲の世界観にはそもそも一貫性があるけれどこの曲の並びがあまりにもそれを強くした verandaのライティングが脳裏に焼きつく 最後、耳を塞ぎながらremoveのフォーメーションでつなぐ興奮 ピースする、コショージメグミ。 cloudy ironyで蹴り上げてもらう roomsの落ちサビ「何もかもがあって、何もなくなるの」は真っ暗だ こんなに暗いところに、音だけが鳴っていて人が集まっている状態が恐ろしく感じた roomsはいつも、分岐点だ 何もなくなって終わっていったり、終わったはずなのに続いていったりする roomsの後のblue lightは繰り返すこの世界の情景が新しい居場所に連れ去られていることが明白だ 繰り返して繰り返す中で新しく生まれ変わる 今回は少し、いつもと違うことを、自身はきっと、気付いていない
faithelessness
/ 二度目の朝は許されなかった
/《裏切られて裏切られて裏切られて裏切るの》
/『叶わないよ叶わないよ叶わないよ許せない』
townscape
/ 《裏切られたの、》夏の日差しに。
/ 繰り返す意味は『叶わない』無意味な夢。
/【冷たい雨】が降り注ぐ静かな夢。
/煙の中で、赤は流れて
karma
/【夏の雨 あの日とは違う雨】 それに気付けずに。
/後悔は煙の罪だけ
/午前四時の憂鬱が細い手首を揺らして
/赤く泣いてるの
/夢の中だけでいいの何もかも許してよ
veranda
/冬の朝の意味。ベットの中、ずっと。
/赤いソファーとベランダも。
/覗いた窓青色が。
/悲しみとか許しとか。
/乾いた夢の中、僕は何を願っているの?
remove
/悲しいことは全部、正しいことに気付いた。
/あの日の朝四時に見ていた景色忘れてく。/夜が明けてく街並み
/それは誰も知らないの。夢の中では無くして
/『叶えたかった夢』とか感じたこともなかった
/【雨はもう止んで空には、灰色の雲が傘を刺す】
cloudy irony
/嘘は容赦なく青に揺られて
/夢と煙がひとつになったと思っていたかった
/【曇り空】
/【始まりの日はいつでも美しい雨が降り注ぐの】
rooms
/【雨】の音が作っては壊してく。
/繰り返す日々は止まったの
/『叶えたかった』夢の途中光を消した
blue light
/秋に降る【雪】を眺めて
/夢じゃないの?古く新しい季節はいつかの日々で
/まるでそれは温かな煙
/【雨】の中、約束。『叶わなかったのか』、誰も知らない。
/水色は嘘でもいい。/水色は嘘つきで。
/あの冬は殺せばいい
/触れた指から春が溢れ出す
もちろんこれだけれはなく、白色や負った傷のことも切り離せない世界を巡っている このセトリでMaison book girlの世界についてまた新しい物語を想って大事にしていくためにすぐにプレイリストにした どの時点でセットリストをつくるの?雨の降る日にこんなセトリを作るのは、天才だ それにしても、blue lightでボロボロ流した涙を見られたらハズカシイなという自意識が生まれてしまうことに嫌気があるので前方は良し悪し
この土砂降りの秋の日に、間近で見られたことが生きていることのすばらしさに直結せざるをえなかった Maison book girlのことを愛しているのは、その創り上げる芸術の世界を愛しているからだ どんな有名で、評価されていて、ベテランで、より私は一番魅力を感じている だから、変な感じがする 近くで会えてしまうことが変な感じがする 会いにいくのは辞めてしまえと思うことが多いけれど、あの心底敬愛するステージとはまったくもって切り離して、ここだけはアイドル的な視点になって、会いに行くのだと、鼻の奥あたりが、言った
コショージは雨が降ることを知らなかったから傘を買ったと言った。寒いねと言った。風邪に気を付けてね言った。いやいやそっちがひかないでねと言ったら、なんかひかないきがする!と言った。
彼女たちと話すときはいつも、こんなネタを話そうとか思っているのに、寒いとか、髪を切ったねとか、髪伸びたねとか、そんなことしか言えなくて、それでいいのかもしれないけど、退屈させたくなかったなとか思うけど、透明になって消えてしまえたらそれが一番いいことはわかっている。なのに矢川葵さんの真似をして本人に知らしめたりしているこの状況が楽しくもある反面、自意識の膨れ上がった存在に嫌気がさす。しかしながらきちんと見てくれていて、こちらがすこし「真似していて」と言ったらしゃぶしゃぶのお皿の位置まで~とか、アイスの背景も~とか言ってくれて、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああってなった
ライブハウスを出ると土砂降りだった雨もすこしやわからい雨になっていて、雲の先には少し欠けた月があるんだよなあとおもっても覗くことは許してくれなかった
赤からを食べて、おいしく帰った 毎日ぐつぐつした鍋を食べたいよ
今日は雨がこんなに降っている中で、降って、止んで、雲が広がって、また雨が降って、ついには雪が降ったりとかという情景を想っていたので、「水の変態」という曲を思い出して、知らぬまに眠ってしまう前に聴いたりしていた 変態というのは形態を変える、ということだ
山田に霧の中道踏み分けて人来と見しは案山子なりけり むら雲の絶え間に星の見えながら 夜行く袖に散る霰かな 明け渡る高嶺の雲にたなびかれ 光消え行く弓張りの月 白玉の秋の木の葉に宿れりと見ゆるは露のはかるなりけり 今日の雨に萩も尾花もうなだれて うれひ顔なる秋の夕 朝日射すかたへは消えて軒高き 家かげに残る霜の寒けさ 更くる夜の軒の雫のたえゆくは 雨もや雪に降りかはるらん
詞の内容は、水が、霧・霰・雲・露・雨・霜・雪と様々な気象現象に姿を変える様子を七首の連作短歌に詠み込んだ
もの。宮城道雄が満十四歳の時、弟が朗読していた「高等学校読本」(今でいう教科書)の中の短歌に興味を持ち、それを歌詞として「水の変態」を作曲した。彼の処女作であり、同時に、全作品の中でも指折りの名曲として有名である。
いつもゴミのような、情景も何もない演奏をしていたことを思い出した 学生が短期間でやることでしょうがないし気に食わない音を出したり出されたりしても割とどうしようもなくなんとなく過ごす 弾き間違えないことが大事なんじゃないし、そもそも間違えるのも不思議なことなんだけど そういうところは口に出して言うことではなくてただの感覚の差異だったのかな
自分には何をするにも、何もかも技量がなく、ただ絶望するので、受け取る側でいるのがちょうどいいということを、わかってしまった そうやって愚鈍な無知な感覚で過ごしている今が、好きなものにただ身を委ねていられてとても美しい光景がある 無能は無能として楽しむ生き方があるんだから、誰に否定されることもない 自分さえ否定しなければ、